Back
to Top
東京都目黒区の住宅地に計画された地下1階、地上4階建て18戸の賃貸用の集合住宅。
周辺は比較的大きな敷地割りにゆったりと2~3階建ての住宅が建っており庭木やバルコニーの家具、隣地の開放した窓から聞こえる歌の練習など、ささやかながら様々な生活の風景が感じられる場所である。
内側に閉じ閉鎖的な外観となりがちな賃貸住宅だが周辺の風景と接続するように周辺環境に応じた多様なペリメーター環境を作り出すことで、住人のふるまいが自然とあらわれ都市と接続するよう、各住戸にはリビングに面した窓辺ベンチやカウンター、出窓を利用したデスク、室内と一体的に使うことができるインナーバルコニーなど様々な環境を外周部に配置した。晴れた日に窓辺で談笑したり、読書したり、趣味の小物が置かれたり、住人のふるまいが日常の風景として自然と都市に現れる。この住宅街にある小さなふるまいの定着が、都市に奥行をもたらすように、この建築がその街並みに参加することで新たな都市の奥行が生まれることを目指した。
また住戸の計画は、外部から守られて安定した環境の単身者の住戸から開放的で遠くまで見わたすことが可能な半外部や屋外空間を持つ家族用の住戸まで、都市で生活する多様な暮らし方を受け入れ、多様な住まい方の選択肢を与えている。
事業性を確保するため建蔽率、容積率を最大限に使い切りながら、ボリュームの分節、住戸の一部地下化、前面道路側のボリュームの圧縮などを行うことで、可能な限り周辺の住宅街への圧迫感を軽減させるよう配慮した。同時に敷地内に確保した空地は光や風を取り込むための空間として機能し、植栽などにより周辺からの視線や日差しから建物を守るバッファーゾーンとしても機能し、日影の制限をクリアしながらボリュームを最大化し、周辺への圧迫感に配慮しながらいくつかのボリュームが重なり合ってひとつの建築を形成するような形式とした。
用途:共同住宅
所在地:東京都目黒区 
竣工:2017年 
主要構造:鉄筋コンクリート造 
撮影:長谷川健太
共同設計:コバヤシ401.design room

Usage: Apartment
Location: Meguro-ku,Tokyo
Completion:2017
Stracture:RC
Photo:Kenta Hasegawa
Collaboration:Kobayashi 401.design room