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■住宅に通したみちを手掛かりに暮らしをつくる
東京郊外のミニ開発による私道の突き当りに建つ木造住宅の改修である。私道は敷地北側で接しており、敷地南側には別の私道も近接している。敷地の南側には陽あたりの良い庭があるが利用されておらず、私道に接した庭は明るく、風の流れがありそうだが、住宅に流れ込んでくることはなかった。

北側の私道から、明るい南側の庭、南側の私道へとゆるやかにみちをつなぐ。住宅に人の流れるみちをつくる。そこは光と風のみちにもなる目的地へとつながる「けものみち」のような場所だ。玄関につながるみちは狭く、庭につながるみちは、床や外壁を撤去し幅をひろげた。けものみちは、暮らし方にあわせて変化していけるよう軸組を現し、テラスのデッキと同質の材料を採用している。けものみちの幅を広げた部分は大きな余白のような空間とし、リビングやテラスなど寛ぐための機能とした。けものみちからは小さな分岐があり、分岐の先は収納や水廻り、個室などとした。個室に突き当たると再度小さな開口を通してけものみちに接したり、張り出すなど、分岐したみちも、けものみちに関わりながら存在している。

獣道が時間をかけて様々な生き物に踏み慣らされ更新され続けるように、今後もこの場所が暮らし方によって新たな風景を作りつづけられていくことを願っている。
用途:住宅
主要構造:木造
竣工:2019年
構造設計:金田泰裕|yasuhirokaneda STRUCTURE
撮影:長谷川健太

usage:house
structure:wood
completion:2019
structure design:yasuhirokaneda STRUCTURE
photo:Kenta Hasegawa