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□最小限の手数で効果を最大化する箱の配置

東京近郊、駅至近の商業エリア内に位置するヘアサロンである。

車や人通りが多い幹線道路に面しているが、しっかりと壁を立て、その雑多な外部から店内を切り離し自分だけの居場所のように落ち着ける内部空間をつくった。
目線の高さに配置した外壁の横長のスリット窓は、外から内部を僅かに覗くことができつつ、内部のプライベート感を確保している。

既存の空間はスケルトンの状態で、崩れかけたコンクリートブロック、ダクトを通していたと思われる大きな開口など躯体に大きな損傷があり、その補修と内装の造作が両立する最小限の手数で最大限の効果を生み出すデザインを目指した。

そのため、既存の躯体は補修の上白く塗装し、セット面やカウンター、収納や、バックルーム、カウンセリングスペースなどのヘアサロンに最低限必要な機能を木材やグレーに塗装されたバラバラの仕上げた箱型の家具のようにあらかじめ配置することした。そのことでオープン後にあふれるワゴンや美容機器など雑多なものたちをやわらかく受けとめ、プライベートな居心地を確保して行くことができるのではないかと考えている。
用途:美容室
所在地:埼玉県さいたま市
主要構造:鉄骨造
専有面積:33.05m²
竣工:2016年
撮影:長谷川健太

principal use:hair salon
address:Saitama City, Saitama Prefecture
floor area : 33.05m²
structure:steel
completion:2016
photo:Kenta Hasegawa