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敷地の履歴を継承し、住宅に生み出す「暮らしの多様さ」と「小さな公共性」
 敷地は河川に近接した住宅街にあり高度成長期の排水増加による水害の歴史があった。その履歴を残すように既存建物は元の地盤からRC造で嵩上げされ、二階は木造平屋が載る、複数の地盤を持つような構成であった。
建主は、木工や革小物の製作や自転車の整備、休みには車に大量の荷物を積みキャンプに出掛けるなど多様な趣味をもっている。住宅を起点に多様な行為が内と外を横断する使い方を発見できる状態を、解体、増築、修理を重ね合わせながら計画した。
 劣化した床スラブや擁壁を撤去し分断された場を繋ぐように解体し、増築した駐車場上のルーフテラスとキッチンの天板を同じ高さとするなどして出来た多様な水平面を、斜面や階段、出入口で繋ぎ、建主の個性が現れる場として都市に表出させた。改修する部分は既存が新築された当時の素材を使い既存となじませながら、現しの軸組や素地の仕上げとし、使い始めてからも様々なものが現れることを許容しながら人と建築の連関を再構成できるものとした。
 住宅が生命を守ることと活発に生きるための場であることの両義性を、土地の履歴を受け継ぎ、多様な質の空間を生み出すことで実現し、住宅が豊かな暮らしのための場として都市と関わり、どこにでもある住宅街に小さな公共性を生み出していくことを目指した。
用途:住宅
所在地:東京都狛江市 
竣工:2018年 
主要構造:RC造一部木造 
構造設計:金田泰裕|yasuhirokaneda STRUCTURE
撮影:長谷川健太、新建築社写真部(1,6,10,11,12,19)

Principal use:House
Location:Komae-city,Tokyo
Completion:2018
Stracture:RC,Wooden
structure design:yasuhirokaneda STRUCTURE
Photo:Kenta Hasegawa,Shinkenchiku-sha(1,6,10,11,12,19)