LIFORK H/Q、YETは、原宿クエスト4階に計画した会員制のコワーキング・シェアオフィスと、誰でも利用できるカフェである。
かつて原宿には多様なクリエーターが集まり、出会いや活動の連鎖によって、さまざまなカルチャーを生み出してきた。本計画は、原宿を再びクリエーターの聖地として位置づけ、新しい文化を生み出す場所にしたいというクライアントの思いを受けて始まった。
人と人、人とモノの出会いを生む原宿らしい場所を考えるにあたり、ビルの中間階にありながら、原宿の都市的な文脈を内部に引き込めないかと考えた。敷地は、表参道の大きな都市スケールと、竹下通り周辺の小さな建物のスケールが交差する場所に位置する。その地理的特徴を内部に取り込んで、表参道側はケヤキ並木へ大きくつながる開放的なワンルームとし、竹下通り側のカフェは小さな空間が連なる親密な構成とした。
不整形な建物形状や外壁線とコアのズレを均質化せず、そのズレをそのままオフセットしながら平面構成に反映した。そこに通常外部に用いる亜鉛めっきを施したスチール棚をフロア全体に巡らせ、カフェとワークスペースが緩やかに連続する構成とした。棚は収納や展示の什器であると同時に、視線や動線を調整し、背板の種類によって空間を多様に仕切る境界でもある。さらに奥行きや高さによってベンチやデスク、ロフトなどの多様な居場所となり、商品が置かれればショップに、シンクや冷蔵庫が組み込まれればキッチンにと、モノによっても場を変化させる。
コワーキングスペースの一部は、平日はワークスペース、週末はカフェとして使うなど、日によって役割が変わる。大きな建具を開け放つことで、表参道側のスペースにも竹下通り側のカフェにも接続でき、状況に応じて空間の関係性を切り替えることができる。誰でも利用できるカフェや、クリエーターの展示、ポップアップなどが重なることで、会員だけでなく、街から訪れる人との接点も生まれる。
完成された機能を与えるのではなく、いくつもの見立てや未完成性を内包した場とすることで、ひとつの空間やエレメントがいくつにも読み替えられる状態を目指した。働く、集まる、滞在する、くつろぐ、見る、買うといった行為が重なり合い、利用者や来訪者が創造的に場に関わることができることで、使い方や見方が発見され続け、新たな出会いや活動を生み続ける場所となり得ることを目指した。
用途:ワーキングスペース、シェアオフィス、カフェ、レンタルスペース
所在地:東京都渋谷区
竣工:2026年
担当:須藤剛 山崎百々美 都築奈々
設備:NoMaDoS 高橋良輔 池島直貴
撮影:長谷川健太
Principal Use: Coworking space, Share office, Cafe,
Location: Shibuya-ku, Tokyo
Completion: 2026
Project Team: Tsuyoshi Sudoh, Momomi Yamazaki, Nana Tsuduki
Mechanical Engineering: Ryosuke Takahashi, NoMaDoS
Electrical Engineering: Naoki Ikejima, NoMaDoS
Photo: Kenta Hasegawa