□床の段差を利用した立体的な住戸空間とランダムな開口部
東京都北区に建つ地上5階建て10戸からなる賃貸用の集合住宅の計画。
敷地は上野台地の崖地と六義園の中間に位置し、密度の高い住宅地から庭園や崖地に抜けると、いたるところで視界開ける豊かな起伏と大規模な庭園に挟まれた住宅地の幹線道路沿いに位置している。
最大のヴォリュームに階高を抑えて床面積いっぱい確保した単調な6~7層の床を入れるのではなく、2800mm~4200mmの階高の異なる15のFLを持つ5層のヴォリュームに一部ロフトを設けることで同等の床の量を確保し、多様な階高の住戸を可能にしている。
また5層とすることで壁構造を採用し、異なる各階の平均の階高を3500mmとすることで、各階で階高3500mmを超える部分を有しながら適合性判定を不要にし、設計期間の短縮も実現している。
住戸の平面は効率の良い整形のワンルームとしつつ、スラブの段差や水回りヴォリュームを立体的に配置することで住戸内に起伏を与え地形を積層したような断面構成とし、段差により生活の手がかりになる場をつくるよう想定した。立面の開口部はその室内の構成と関係をずらして配置し、平面と断面、そこに立ち現れる立面が異なるレイヤーで計画されることで、ワンルーム内に壁に囲まれた安定した環境や、不規則にあく開口部によって土地に、隣地に、空に抜け、ダイレクトに小さな路地から崖や庭園に抜けるように都市を体験する。
用途:共同住宅
所在地:東京都北区
竣工:2018年
主要構造:鉄筋コンクリート造
撮影:長谷川健太
共同設計:コバヤシ401.design room
principal use: Apartment
Location: Kita-ku,Tokyo
Completion:2018
Stracture:RC
Photo:Kenta Hasegawa
Collaboration:Kobayashi 401.design room